薬草療法の歴史

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飼っている犬や猫などの動物が、必要に応じて特定の植物を探し出しているのを見たことがあると思いますが、動物は誰かに教えられなくても、自分の身体を健康な状態に保つために本能的に植物を探し出すのです。

私たち人類も、けがや病気の治療にハーブを使う様になったのは太古の時代にさかのぼります。記録が保存されるようになってから今日まで、あらゆる文明、あらゆる種族で、ハーブ治療薬は伝えられて来ました。例えば、アッシリア王の紀元前2500年の日付のついた粘土板、紀元前1550年の古代エジプトのパピルス文書、続いてインド、ペルシヤ、アメリカンインディアンの文明など、世界中のいたるところで発見されています。

Hippocrates『 医学の父 』ヒポクラテスは『 薬草療法の方法論的基礎 』を確立し、自然療法の医学校を設立しました。ネロの時代には医師ディオスコリデスにより、マテリアメディカ(薬物学)が打ち立てられ、ハーブ医学は多くの関心を集めるようになったのです。さらに15世紀に入ると、何百もの医学書が出版され、ハーブに関する膨大な数の文献が研究者の調査に利用されるようになりました。そして1649年、ニコラス・カルペペーにより、ハーブ医学は決定づけられたのです。

ところが、ハーブ医学の前途がバラ色に見えたのもつかの間で、パラケルスス(1493-1541年)によって薬物に化学合成物が使われるようになったのです。植物を育て抽出するより、はるかに安価な科学的物質の製造により、もともとの薬草に含まれているさまざまな薬品の合成が可能となりました。

そして、それからの正統医学は、合成された物質の科学構造が天然と非常によく似ているなら、合成物は天然物と同様に、まったく難無く生体に受け入れられるだろうと考えられたのです。しかし実際には、単利されたり、合成された作用成分が薬として投与されると、望ましくない副作用が発生します。そして今日では、そのために苦しむ人がいるのです。

ところが、同じ作用成分は、自然環境の中で全草から得られた薬の形で利用すると、もっとおだやかに作用することが知られています。つまり、身体に対して優しく効果を現すのです。

行き過ぎた科学薬品の氾濫から、自然を見直そうとする動きが現れ、ハーブ医学を振り返る人々が増えてきました。そうして、5000年以上の歴史を持つハーブ医学と、さらにはアロマセラピーという治療法が人々に注目されるようになったのです。